【ショートストーリー】ビーフシチュー

ビーフシチュー-01

ビーフシチュー-02

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ビーフシチュー

「ビーフシチュー・・・」

今夜のご飯はなんですか?の質問に対して
そっけなく、特にこちらを伺う様子もない妻の口から、
予想の基準値を越えるそのような名前が聞こえると、
私は、飛び跳ねるように感情を表現する。

仕事終わりの自分にとっては待ち遠しくも、準備が着々と整っていく瞬間である。

お風呂から上がると並べられているが、例の肉汁。

むき出しの赤や黄色のごろごろとしたアレが浸されたデミグラス色の液体を、
器の黄熊になどには気にもとめず、次々とスプーンですくっていく。

うん・・・うん・・・うん・・・

「すっごい、コンソメの味がするね」

とにかくコンソメ感のするその液体に、そうコメントをすると

「じゃあ、今度からやめとくわ」とお決まりのラリーが始まる。

「ブイヤベースの味が凄いわ」

「ブイヤベースなんか入ってるかな」

「俺、コンソメ好きやで」

「前、嫌い言うてたやん」

うん、前、嫌い言うてたような気がする。

ごちそうさま!

お腹もいっぱいになったので、妻と子供の会話に耳を傾けながら少し横にならせていただきますね。

もちろんスマホは持たずに。

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