【ショートストーリー】のり

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のり

7月7日、年に一度だけその河を隔てて暮らす二人は会うことを許されました。
宇宙に瞬く無数の星の集まりが、それはまるで流れる河のようで、それを天の川と私たちは呼びます。
でも、そんな大切な日に限って、河の風情に想いを馳せる気も起こさせないような天気になることもあり、
結局二人は結ばれたのか、結ばれない方がよかったのかもわからぬまま、
また来年となることもあるのです。

けれどもよく見ると、もちろん毎日のように宇宙はキラキラと輝いているわけで、
それを私たちは星の輝きと呼ぶが、ついつい、それは何万年前に反射した光だとか
本当のところなんて知るよしもないはずのに知った風に言ってしまう。

そんな宇宙に輝く星を見るのにも視力が必要な訳で、
コンタクトレンズをつけても1.0に満たない私の視力では
あまねく銀河の輝きは、全体的にぼやっとしたものにしか映らないわけなのです。
それは、ネオンの少ない郊外で見る夜空にも同じで、
その100%の星の呻きであり、爆発である輝きの結晶を体感するにも
視力の大事さを感じざるを得ないので、
コンタクレンズを忘れてしまったり、落としてしまったりしたらどうしようと、旅行に行く際は常に思っています。

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