【ショートストーリー】春の雨と高校球児

春の雨と高校球児-01

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春の雨と高校球児

机の上に置かれた携帯が、突然のピッチャー登板を激しい揺れと共に告げてきた。
いつも、その為にそう置いてるはずなのに、まさかのバッターに少しは躊躇するが、避けては通れない登板と見つめなおすと、帽子のツバをクイっと傾け、そっと手に取りボタンを押す。
さあ、ノーアウトランナーなし。
ストライクを取りたい訳でもない、かといってフォアボールで場を濁すつもりもない。
その選球の定まらない投球は、鈍い当たりを量産させる。
ツーアウト満塁。
自分を信じて投げた最後の球は、やっぱり肘に力を伝達しないまま、緩い緩いピッチャーフライとして打ち上げられた。
そのボールがグローブに収まると、サイレンの音と共に、降り止まない雨が今も心を打ち付けている。
今、僕は高校何年生なのだろうか。

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